大阪オートメッセは、自動車とそのカスタマイズをテーマとした関西最大級のスケールをもつモーターショーです。1997年の初開催時は、今のおよそ3分の1の規模からスタートしました。第23回目の開催を迎え、ここまでの規模に成長しましたのも、ひとえに皆様のたゆまぬご尽力と、ご理解、ご協力の賜物と厚くお礼申し上げます。

前述のとおり、大阪オートメッセの初開催は1997年です。1997年といえば、世界初の量産ハイブリッドカーとして、トヨタ・プリウスが登場した年でもあります。その当時、プリウスはカスタマイズの対象としてはあまり見られていませんでした。エコカーの先駆けとしてデビューしたこともありましたが、今やプリウスも4代目となり豊富にパーツが発売されるカスタマイズにうってつけの自動車です。最近では、日産リーフやテスラといった純粋な電気自動車も街中で見かけるようになりました。世界的に見ても、電池などの技術革新によって自動車の電動化はさらに進むものと見られますが、それらをベースとしてどんなカスタマイズモデルが出てくるのか楽しみでもあります。

その一方で、80年代、90年代の自動車がヘリテージカーとして輝きを増しているように感じます。自動車がまだ自動車らしかった時代を懐かしむユーザーの出現は、新たな潮流かもしれません。このように、歴史を重ねる毎に自動車とユーザーとカスタマイズは密接に関係し、姿やカタチを変えてきたといっても過言ではないでしょう。

しかし国内では、人口減少や少子高齢化がもたらす大きな波が刻一刻と近づいています。日本国外に目を向けてみると、アジアとりわけ東南アジアが近年著しい経済成長を遂げています。大阪オートメッセとも親交のある、タイやインドネシアではまさに成長期と呼ぶにふさわしい経済発展を遂げ、街中ではたくさんの日本車が走る姿を見ることができます。前回開催では、タイ、インドネシアをそれぞれ代表するモーターショーの主催関係者にもお越しいただくことができました。

多様化する価値観と市場動向は、自動車およびカスタマイズ業界にとって無縁ではありません。みなさまの一助となれるよう、国内のみならず海外も視野に入れた活動を今後も継続する所存です。

大阪オートメッセ実行委員長
城市 邦夫